こころの相談室~ヒーリングハート奈良~|うつ・依存症カウンセリング|奈良県橿原市

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依存症回復に必要なこと③ 「過去を癒す」

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「忘れてしまいたい過去」

「消してしまいたい出来事」

起こってしまったことはもう過去なので変えることはできませんが、その過去の出来事を癒すことはできます。

癒すというのは、その出来事の中で感じていた悲しさや寂しさ、怒りなどの感情を和らげたり、起こったことを捉え直したりすることです。

日々生きていると、いろんなことがあると思います。楽しいことや嬉しいことよりも、もしかしたら嫌なことや辛かったことなどの方が記憶に残っているかもしれません。

いろんなストレスがある中で、好きなことや楽しめることでうまく解消できていればいいのですが、それができずに、隠れた想いが自分の中に溜まってしまっていることがあります。
それを解消できる方法が、依存行為であったりします。


私は、人間関係が苦手だったので、以前は今ほど人との繋がりを大切だと思えていなかったような気がします。

何かしんどいことがあってもそれを人にうまく話せなかったので、なかなか助けを求めることができませんでした。

相手のことばかり気にし過ぎてしまって、うまく表現できず、さらに同じようなことが重なってしまうと、あの時もこの時もそうだったというように消化できていない想いが残ってしまうことになります。

「どうしてうまく言えないんだろう」
「何が自分にストップをかけているんだろう」

そういったことを考えて調べているうちに、私は「インナーチャイルド」という言葉に出会いました。



◆  傷ついた子供の心を癒す

インナーチャイルドというのは、「内なる子供」という意味です。

この自分の中にあるインナーチャイルドが、傷ついた子供の心を持ったままでいると、今の自分自身の行動に影響を及ぼすことがあります。

子供の頃にうまく吐き出せていなかった感情が未消化な感情として残ってしまっていると、今の生活においても何か生きづらさを感じているかもしれません。

では、どうやってその傷ついた子供の心を癒していくのかということを、よくある出来事を一つの例として紹介したいと思います。


「自分のしんどさをうまく人に話すことができない」ということから、連想されるような、思い出せる出来事を探していきます。

いくつかあるかもしれませんが、できるだけ幼少期の最初の出来事を探します。


例えば、

『お母さんにしてほしいことがあって、何回もお母さんを呼んでいたんだけど、お母さんは来てくれなかった。お母さんはその時、お父さんと話をしていてそれどころではなく、お母さんは「今、お父さんと話をしているの。見てわからないの?だから、あとにして」と言って怒鳴った。
結局、その後もお母さんは忙しくて来てくれなかった』

という出来事があったとします。

大人の立場からすると、毎日子育てや仕事がある中で、親も人間だからイライラして怒ることがあると思います。

誰が悪いということではないと思います。

ただ、子供の立場からすると、まだ幼い子供だと、言われてもわからないことも多いですし、こういった出来事が1回ではなく、何回も重なってしまったら、もう嫌な思いはしたくないと思って、言わないということを選ぶようになっていくことがあります。

これは自分のことを守るために、自然とそういう選択をするということがあります。



子供の頃の嫌な記憶は、今も強く残っているとしたら、完全に消してしまうことはできませんが、イメージの中で癒すことはできます。



NLPの中には、「タイムライン」という考え方があります。
これは、過去と現在、未来を一つの線上にあるものとして、そこを移動することで過去や未来をイメージするものです。

タイムライン上で過去や未来をイメージすることで、過去の嫌な記憶をいいものに書き換えたり、逆に良かった経験を活かして未来をイメージしたりすることができます。


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では、過去の嫌な出来事をどうやって書き換えるのかというと、まず、タイムライン上で現在の位置から過去に移動し、その出来事がどの位置にあるのか見つけていきます。

そして、その出来事を、映画のスクリーンをイメージして、そのスクリーン上に映し出すイメージで、再生します。

この時に注意することはいくつかあり、カウンセラーが心理療法を使って導いていくことで、その出来事で未消化になっていた悲しさや怒りなどの感情を和らげていきます。

ここで大切なことは、その時に自分自身が感じていたことをわかってあげることと、その出来事から学んだことをきちんと保存しておくということです。

どんなに忘れたいと思うくらい嫌な記憶でも、それが印象に残っているのは、そこから学んだことがあり、それを手放したくないと望んでいる想いがあります。その学びが、いい意味でも悪い意味でも、今の自分自身の行動にストップをかけるように影響していることがあります。

その学びは、自分を守るために、これからもうまく使っていくこととして捉え、イメージの中で保存してあげることで、記憶を書き換えやすくなります。



◆  過去の出来事をいいものに書き換える

過去の嫌な出来事について、その時に感じていたネガティブな感情を和らげたら、次は、「その時に本当はどうして欲しかったのか」をイメージしていきます。

「本当はお母さんに来て欲しかった」
「お母さんに話を聞いてもらいたかった」

子供の心はそう思っていたのに、嫌な想いをしてしまっていたとしたら、そのことを叶えてあげるようにイメージします。

お母さんが来てくれて、一緒に何かをしてくれた、その時の自分自身が自然と笑顔になれるような、温かさを感じれるようなイメージを強く残します。

そうすると、今度その出来事を思い出した時に、新しくイメージした出来事が思い浮かぶようになります。夜寝る前やリラックスしている時に、その出来事を思い出して、新しく書き換わったイメージを再生してあげることで、新しいイメージが定着していくようになります。

以前の記憶は完全に消えてしまうわけではありませんが、新しいものを何回かイメージしていくことで、脳はイメージが本当にあった出来事であるかのように錯覚します。

これは未来についても言えることで、「自分はこうなりたい」というイメージを強く持っていると、自然とそのために必要なことを引き寄せ、そこに近づいていけるということがあります。

新しいイメージが記憶されていくと、それまで感じていた生きづらさが軽くなるので、「そういえば、なんかできるようになっている」というように、自然と自分がしたいように行動できるようになっていきます。


最後になりますが、ここで気をつけたいことは、依存症の回復には段階(ステップ)があるということです。
最初から過去を癒すステップに進もうとしてもうまくいかず、むしろ反動の方が強くなってしまうことがあります。だんだん進んでいくことが大切です。
(これは依存症に限らず、うつ病や引きこもりの回復にも言えることです)
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過去にとらわれず、「今」を生きていくために。

今後もカウンセリングで、心理療法も1つの方法として、うまく活用していければと思っています。
 
2020年06月19日 16:51

依存症回復に必要なこと② 「捉え方や思考パターン」

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◆ リフレーミング
 
NLPの中に「リフレーミング」というものがありますが、これはものの見方を変えることで行動を変えていこうとするものです。

物事を一つの視点から見るのではなく、別の角度から見ることで違う見方ができるということがあります。

例えば仕事で、締め切りの時間まで1時間あるとします。このことを「もう1時間しか時間がない」と思うか、「まだあと1時間ある」と捉えるかによって、焦ってしまう場合も落ち着いてできる場合もあると思います。

また、「自分は行動が遅い」ということを自分の弱いところだと思っていても、それは「人よりも慎重で、丁寧に仕事ができる」という強みだと捉えることもできます。
自己肯定感が上がれば、自分にだからこそできる強みを活かして行動できるようにもなります。


今、新型コロナウイルスの影響で、外出自粛が続いていることでストレスになっている方もたくさんいらっしゃると思いますが、こんな時だからこそ家でできることをしようと、普段できないことや好きなことをしながら工夫して過ごしておられることと思います。
これも一つのリフレーミングかもしれません。


他にも、就職や転職で、せっかく新しいことを始めたのに、辞めてしまったとします。
これも「失敗した」「あんなところに行かなければ良かった」と思うかもしれませんが、そこで止めてしまうのではなく、「失敗したけど、そのことを学びに変えよう」と捉えることで、次に繋がる大切な学びを得たことになります。

どんなことでもやってみて、そこで失敗したとしても学びに変えていくことが大切だと思います。


◆ 0か100かの思考パターン

100%の力でいろんなことができる時とそうでない時があるように、体調もその日によって違うので、毎日過ごしていてもいろんな日があると思います。

自助グループのミーティングで、「お酒を飲んでいた時は、いつも穏やかで落ち着いていられたのに、やめ続けていると、少しのことでもイライラするようになった」という話を聞いたことがありました。

例えば、お酒に依存している時は、不安やイライラなどをお酒を飲むことで消してしまっているので、一時的に100%の力で何でもできる自分に戻っているようになっています。

ただ、100の完璧な状態を目指して頑張り過ぎてしまうと、調子が良くなくて全くできない0の状態がまた来てしまうことにもなります。

元気で何でもうまくできる自分が、緊張や不安、イライラなどでしんどくなってできなくなった時、お酒や薬など、依存しているものでまたできる自分に戻そうとしますが、これだとしんどさばかりが強くなってしまい、最終的にやめれなくなってしまいます。

依存対象を使わない、例えばお酒を飲まないということは、100のできる自分に戻そうとしないということだと思います。

イライラも不安も、不快な症状はあるものとして、すべて消してしまおうとしないで、今の自分にできることをやってみようとすることが大切です。

今日の自分は「イライラしているんだな〜」「しんどいんだな」「不安なんだな〜」というように、自分のことをまずはわかってあげる。わかってあげることで少し軽くなります。
そして、その症状がさらに軽くなるもの、落ち着けるようなことを見つけることが必要です。

例えば、好きなことやここにいると落ち着けるような安心できる場所など、そういったアイテムをいくつか見つけることです。

しんどくて何もできない時でも、これならできそうということをつくることで、しんどさが軽くなるきっかけになります。

そうすることで、0の状態から少しずつできることを増やしていき、うまくできる自分の時は頑張り過ぎないことを心がけて調整してあげることで、今までの0か100の大きな波を緩やかな波にしていくことができます。

自分にとってその感じがまん中で、ちょうど良い感じになってくると、依存対象に頼らなくてもいいようになっていきます。

大切なのは、不快な状態を無理に消してしまおうとするのではなく、どんな自分でも、その時の自分自身を受け入れてあげることだと思います。

ただ、どんなに頑張っても、自分ではどうすることもできないことがあります。

そんな時は誰かに相談することが必要です。人を頼ることで、回復の道が始まっていきます。

お気軽に、電話相談をご利用ください。

 
2020年04月12日 17:59

依存症回復に必要なこと① 「カウンセリングから学んだこと」

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「やめたいのにやめられない」ことで悩んでいたとき、私は、電話でそのことを話せる人を探しました。

それは、心理カウンセラーや依存症から回復を続けている人達でしたが、その人達に「どうやったらやめられるのか」を聞きましたが、誰に聞いても納得できる答えを得られませんでした。


中には、「依存症になるのは、他にストレスの解消の仕方を知らないからだ」と言っていた人もいました。

そういうことも確かにあるのかもしれませんが、そのときの私は、他にもスポーツや音楽など、趣味や楽しめることがありました。

でも、やめられなかった。趣味や好きなことはあっても、その快楽にほんとうに代わるものがなかったのです。


「どうやったらやめられるのか」

依存症には、痛みが軽くなる鎮痛剤のように、これがあればすぐに治るというような特効薬はありません。

私は、その明確な答えがわかるようになるまでに何年もかかりました。

私がどのようにして、「自分の人生を楽しんで生きていきたい」というふうに変わっていったのか、紹介していきたいと思います。


◆依存対象から離れてみて・・・

インターネット、スマートフォン、パチンコやお酒、処方薬など、依存しているものは人それぞれ違うと思いますが・・・

私がカウンセリングを通して、最初にしたことは、したいという欲求が出てきた時に、すぐに飛びつくのではなく、他のものに行動を移してみるということでした。
掃除をしてみる、音楽を一曲聞いてみる、外に出てみるというように、今していることから別のことに行動を移す。そのことで、したいという欲求はどうなるのか、自分自身のことを観察してあげるようにしました。

その中で対処法として有効なものがあれば、それを続けてみる。うまくいかなくて失敗してもかまわないから、とにかく行動して試してみる。そこから始めました。

どんなに強迫的な欲求でそれに代わるものがないとしても、少しずつ前に進むしかないんですよね。。

私は失敗してばかりでしたが、自分を観察してあげる、今自分はどんな状態なのか、そういうふうに客観的に見てあげるということがここから習慣になっていったような気がします。


◆自分が感じていること

例えば、お酒やめられない、どうしても飲んでしまう・・というのは、お酒を飲むことで得ているものがあるからだと思います。
やめたいと思う意志とは反対の行動を取ってしまう。そのことで得ているものを二次利得といいますが、それがあるから離れられなくなっているということがあります。


「どうしてお酒でないといけないのか」
そこにはきちんと意味があり、そのことを自分自身が受け取ってあげる必要があります。

私の場合はカウンセリングの中で、カウンセラーと対話をすることで気づきました。

「何かから解放されたい」
「リラックスしたい」
「いろんなことを忘れてリセットしたい」

私が得ていたものはいろいろありましたが、そこから「何をどうしたいのか」「どうしてそう思うのか」自分が何も気にすることなく自由に発言できるとしたら、自分が感じていることをそのまま感じていい、言葉にしてもいいとしたら、自分の中からどんなことが出てくるのか、それをひとつずつ丁寧に見てあげることを続けていきました。

そこから少しずつ強迫的な欲求は落ち着いていきました。



 
2020年02月26日 17:42
所在地 奈良県橿原市
営業時間 10:00〜19:00
定休日 木曜日
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