依存症回復に必要なこと② 「捉え方や思考パターン」
◆ リフレーミング
NLPの中に「リフレーミング」というものがありますが、これはものの見方を変えることで行動を変えていこうとするものです。
物事を一つの視点から見るのではなく、別の角度から見ることで違う見方ができるということがあります。
例えば仕事で、締め切りの時間まで1時間あるとします。このことを「もう1時間しか時間がない」と思うか、「まだあと1時間ある」と捉えるかによって、焦ってしまう場合も落ち着いてできる場合もあると思います。
また、「自分は行動が遅い」ということを自分の弱いところだと思っていても、それは「人よりも慎重で、丁寧に仕事ができる」という強みだと捉えることもできます。
自己肯定感が上がれば、自分にだからこそできる強みを活かして行動できるようにもなります。
今、新型コロナウイルスの影響で、外出自粛が続いていることでストレスになっている方もたくさんいらっしゃると思いますが、こんな時だからこそ家でできることをしようと、普段できないことや好きなことをしながら工夫して過ごしておられることと思います。
これも一つのリフレーミングかもしれません。
他にも、就職や転職で、せっかく新しいことを始めたのに、辞めてしまったとします。
これも「失敗した」「あんなところに行かなければ良かった」と思うかもしれませんが、そこで止めてしまうのではなく、「失敗したけど、そのことを学びに変えよう」と捉えることで、次に繋がる大切な学びを得たことになります。
どんなことでもやってみて、そこで失敗したとしても学びに変えていくことが大切だと思います。
◆ 0か100かの思考パターン
100%の力でいろんなことができる時とそうでない時があるように、体調もその日によって違うので、毎日過ごしていてもいろんな日があると思います。
自助グループのミーティングで、「お酒を飲んでいた時は、いつも穏やかで落ち着いていられたのに、やめ続けていると、少しのことでもイライラするようになった」という話を聞いたことがありました。
例えば、お酒に依存している時は、不安やイライラなどをお酒を飲むことで消してしまっているので、一時的に100%の力で何でもできる自分に戻っているようになっています。
ただ、100の完璧な状態を目指して頑張り過ぎてしまうと、調子が良くなくて全くできない0の状態がまた来てしまうことにもなります。
元気で何でもうまくできる自分が、緊張や不安、イライラなどでしんどくなってできなくなった時、お酒や薬など、依存しているものでまたできる自分に戻そうとしますが、これだとしんどさばかりが強くなってしまい、最終的にやめれなくなってしまいます。
依存対象を使わない、例えばお酒を飲まないということは、100のできる自分に戻そうとしないということだと思います。
イライラも不安も、不快な症状はあるものとして、すべて消してしまおうとしないで、今の自分にできることをやってみようとすることが大切です。
今日の自分は「イライラしているんだな〜」「しんどいんだな」「不安なんだな〜」というように、自分のことをまずはわかってあげる。わかってあげることで少し軽くなります。
そして、その症状がさらに軽くなるもの、落ち着けるようなことを見つけることが必要です。
例えば、好きなことやここにいると落ち着けるような安心できる場所など、そういったアイテムをいくつか見つけることです。
しんどくて何もできない時でも、これならできそうということをつくることで、しんどさが軽くなるきっかけになります。
そうすることで、0の状態から少しずつできることを増やしていき、うまくできる自分の時は頑張り過ぎないことを心がけて調整してあげることで、今までの0か100の大きな波を緩やかな波にしていくことができます。
自分にとってその感じがまん中で、ちょうど良い感じになってくると、依存対象に頼らなくてもいいようになっていきます。
大切なのは、不快な状態を無理に消してしまおうとするのではなく、どんな自分でも、その時の自分自身を受け入れてあげることだと思います。
ただ、どんなに頑張っても、自分ではどうすることもできないことがあります。
そんな時は誰かに相談することが必要です。人を頼ることで、回復の道が始まっていきます。
お気軽に、電話相談をご利用ください。
2020年04月12日 17:59